技術力
技術力

花火が出来るまでの製作工程のほとんどが手作業です。花火職人は危険な火薬を、指先で慎重に感触を確かめながら扱っています。製造方法は受け継がれてきたものに、新しい火薬や技術を積極的に取り入れ、新しい花火の開発と競技大会に参加するなど、さらなる技術向上を目指しております。当社では、様々な粉末を混ぜて火薬を作ることから始まり、打ち揚げて花火となって消えてなくなるまでを一貫して、責任を持って製造しております。
ここでは、確かな伝統技術力からなる製造過程をご紹介します。

1.薬品の配合

星や割火薬を作るための火薬を配合します。粉状の薬品を計量した後に合わせ、何度か「ふるい」にかけ、よく混ぜ合わせます。花火の種類や色、大きさなどで火薬の種類や配合の割合などが変わってきます。

2.星掛け

星を造る工程のことを星掛けと言います。星掛け機という回転する釜を使って星の芯になる掛け星を入れ、配合した火薬と水を入れて、釜を回転させます。釜が回転するうちに星のまわりに水分を含んだ火薬が付着し、どんどん大きくなります。

3.日乾

星がある程度大きくなったら太陽の下でしっかりと乾燥させます。乾燥したらまた星を掛けます。必要な大きさになるまでこれを何度も繰り返します。

4.玉込め

球体を半分にした玉皮(たまかわ)の内側に星を並べていきます。片側には親道(おやみち:導火線)です。もう片方には親道はありませんが、こちらも同じようにして星を並べていきます。

5.薬莢詰め

花火の玉を空中で割るために「割り火薬」を詰めていきます。星と割り火薬の間に和紙を挟むことによって星を固定し、火薬の摩擦による発火を防ぎます。最後に半球をひとつに合わせます。

6.玉貼り

均一に圧力がかかっていないと、完全な球体にならないため、球体に紙を均一に貼っていきます。貼っては転がし貼っては転がし、貼った後に周囲から圧力を掛けて均等にならすことを繰り返すことにより、美しく丸く開く花火となります。

7.日乾

最後の工程は天日乾しになります。天日でゆっくりと時間をかけて乾すことにより、火薬の大敵である湿気を飛ばします。玉貼りと日乾は繰り返し行うことにより、中の空気を抜き完成度の高い花火が完成します。

8.完成

玉名を書き込みます。完成した花火は火薬庫で厳重に保管します。夜空に打ち上がって大きく花開いた瞬間が本当の花火の完成となります。